■全国太鼓フェスティバル開催の経緯
気仙町けんか七夕
 陸前高田市には、900年以上の歴史と伝統を誇るといわれている気仙町の「けんか七夕」という祭があり、毎年8月7日に開催されています。「けんか七夕」とは、4tを越える山車と山車が激しくぶつかり合うとてもエキサイティングな祭で、ぶつかり合うときに山車の上で激しく打ち鳴らされているのが「けんか七夕太鼓」です。
 「けんか七夕太鼓を活用して地域起こしができないか」という思いからはじまって「全国の太鼓団体を集めて何かイベントができないか」という有志の発想が基になり「全国太鼓フェスティバル」というイベントが企画されました。
 折りも折り全国でリゾートブームが巻き起こり、陸前高田市も平成元年に「さんりくリアスリゾート構想」の重点整備地区「椿の里」の指定を受けました。これを契機に陸前高田市を広くPRしながら地域活性化と観光客の誘致を図り、通年型、滞在型の観光基地としてのリゾート地の実現に向けて、よりインパクトの強い全国レベルのイベントを開催しようと市内の若者15人が集まり準備会を結成したのが「全国太鼓フェスティバル」のはじまりです。
■全国レベルのこだわり
 「どうせやるなら一流を呼びたい」との願いから第1回目のフェスティバルの日程は、石川県輪島市の「御陣乗太鼓」の都合に合わせ10月第3日曜日に開催しました。以降、「全国太鼓フェスティバル」は毎年その日に開催されるようになりました。

 日本三大太鼓といわれる「御陣乗太鼓」「御諏訪太鼓」「助六太鼓」がすでに出演し、これまで出演した団体は、国内38都道府県、海外3カ国で延べ273団体3個人(平成21年までの数字)にものぼります。今では、日本一の太鼓フェスティバルとお墨付きをいただくまでに大きなイベントとして成長し、出演していただいた団体からも「太鼓の甲子園」との評価をいただくまでになりました。

いのちは鼓動からはじまる

 人は母親の胎内で心臓の鼓動を聞きながら育まれ生まれてきます。その命の鼓動に通じる太鼓の響きが人々の心に深い感動と感銘を与えてくれるとともに、これから私たちが進むべき方向と大きな力が波紋のように広がることの願いがこめられ「いのちは鼓動からはじまる」という全国太鼓フェスティバルのメインテーマができました。そして、人が生きていくために必要なもの、それが緑と水です。いのちが鼓動からはじまるとすれば、緑と水はいわば鼓動の原点。そんな発想から「松の緑と太古の海鳴り」というサブテーマができあがりました。
■実行委員の公募
PHT
 イベントの実施にあたっては、実行委員を一般公募し、民間主導の実行委員会を組織しました。というのは、これまでの地域のイベントの実行委員会といえば、関係団体の役職者を実行委員に委嘱して組織するというケースがほとんどでしたので、これでは頼まれ仕事になってしまい心から燃えられません。真にやりたい人達だけが集まってやる。私ならこの仕事ができる。こうしたねらいから新聞記事による実行委員の公募をはじめました。
 実行委員会は、毎年イベントが終わるたびに解散し、翌年再び公募により新たに実行委員会を組織するというスタイルを取っています。実行委員会の人数は、毎年100人前後にのぼります。年齢構成も10代の青年から70代のお年寄りまで幅広く、職業も会社社長、商業経営者、農業、漁業、会社員、公務員、団体職員等々さまざまです。
 このような民間主導の実行委員会に対し、行政もこれまでの観念にとらわれず「金は出すが、口は出さない」方針でイベント開催にかかる一切をすべて実行委員会にゆだねたところ、その期待に応えるかのように民間でなければ生まれない新しい発想が次から次へと提案され、実践されています。
■入場手形の製作とその紹介
手形に焼印を入れている様子
 全国太鼓フェスティバルの入場チケットは、地元産「気仙スギ」の間伐材を使って毎年デザインに趣向を凝らして通行手形風にしてつくっています。
 手形は縦12cm×横12cm×厚1cmの気仙スギの板をその年のデザインの形に製板し、表に「入場手形」の焼き印を押します。実行委員が集まって1枚、1枚に焼き印を押し、ヒモを通して約3,000枚もの手形をつくります。今年もデザインのアイデアを募集してその中から選定し、手形を作製することになっています。

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